生保の無利子融資、実行4000億円
生命保険協会は12日、生保各社が新型コロナウイルスの感染拡大に伴い無利子で実施する契約者向け融資の実行額が、5月末までで約4060億円になったと明らかにした。同協会の清水博会長(日本生命保険社長)は同社の貸し付け動向を念頭に「法人の貸し付けの伸びが大きい」とした。
生命保険会社は保険料を担保に企業や個人へ一定額を貸し付ける制度を設けている。資金繰りに支障をきたした企業から融資申し込みが殺到したとみられ、件数は70万件にのぼった。日生の貸し付けの件数は2011年の東日本大震災時の8倍にのぼっているという。
生保業界は無利子融資のほか、保険料の支払い猶予や猶予した保険料の分割払い制度の導入などで対応を急ぐ。
新型コロナに伴う業界全体の保険金の支払額は、死亡保険金や入院時の給付金など計20億円弱だった。