M&A活発化

中小・小規模企業影響調査

中小企業の支援ニーズ

新型コロナウイルスの感染拡大が、あらゆる経済活動に影響を与えている。大手を含む事業者の多くは、資金繰りなどの厳しさに耐えながら生き残りを模索している。一方、将来の需要回復を明確に見通せない中で、中小企業にはM&Aの活発化を予感させる動きも見えつつある。

中小企業の8割が窮状

中小企業基盤整備機構が4月27~30日、全国の中小企業2000社に実施した「新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査」によると、全体の79.2%の企業が「マイナス業績が発生している」、あるいは「発生する見込み」と窮状を明かした。

起業・創業より高い、事業承継・引継ぎ支援ニーズ

その半面、「事業承継・引継ぎ」の支援ニーズの高さも目を引く。5.8%という割合は「起業・創業」(3.2%)、「海外販路拡大」(2.6%)、「窓口・オンライン上の個別相談」(1.7%)などを上回る。

実際、今回の調査対象だけを見ても、ゆうに100社を超える中小企業が次世代へのバトンタッチを考えていることになる。さらに、事業活動面の対策でも「事業自体の休廃業」と「事業自体の譲渡」が挙がった。

いずれも「現在取り組んでいる」と答えた割合がそれぞれ6.7%、1.1%だったのに対し、「今後取り組む予定」とした割合は6.8%、1.9%に増えた。業況の先行きが見えない中、事業の休廃業や譲渡を視野に入れている経営者が存在する事実を物語っている。