「業務スーパー」の神戸物産、絶妙なタイミングで外食子会社を売却(連結外しの妙技)

売却後も引き続き飲食店に食材提供をするとの意向

神戸物産は外食子会社クックイノベンチャー(名古屋市)を2013年に連結子会社化。「焼肉屋さかい」「平禄寿司」などのジー・テイストを擁するジー・コミュニケーション(名古屋市)を傘下に収めていましたが、6月30日にクックイノベンチャーと代表の杉本英雄氏に全株式を譲渡しました。

神戸物産は、新型コロナウイルスが深刻な影響を与える直前の4月1日から外食子会社11社を連結対象から除外し、損失を極限まで抑えることに成功しています。

クックイノベンチャーが子会社化している上場企業ジー・テイストは、焼肉、寿司、居酒屋業態などを展開する外食企業で、主力は「焼肉屋さかい」です。

非常事態宣言による営業自粛の影響を受け、2021年3月期第1四半期の営業損失は9億3300万円。神戸物産は4月1日をみなし売却日とし、連結から外したことでこうしたマイナスインパクトを回避することができました。

筆者注:  株式会社ジー・テイストに関しては、店舗閉鎖損失引当金繰入額を多額に計上していること、後発事象として債務超過会社株式会社クック・オペレーション(純資産額△4,936,252千円)を2020年7月吸収合併の決定がされています。一般投資家の皆様、この点を見逃してはなりません。