「雇用調整助成金」申請の流れ

3つの要件

1、売上要件
前年同月比で、生産性指標(売上等)が下がっていることが第一の要件としてあげられる。休業開始日が3月31日以前なら「10%以上」、4月1日以降なら「5%以上」、売上等が下がっていることが条件となる。なお、この生産性指標は、休業開始日に関わらず「計画届を提出した前月」で判断する。4月に計画届を出せば3月の売上を比較。5月に提出すれば4月の売上等でチェックするのがポイントです。

2、休業規模要件
会社の規模に対して、休業している人数や日数があまりにも少なすぎると対象になりません。これを「休業規模要件」と言います。最低必要休業日数は、申請期間の所定労働日数と対象被保険者数に、以下の表の数字をかけて求めます。

最低必要休業日数の計算方法

■例/所定労働日数20日、対象被保険者数6人の飲食店で、3月に休業させたとします。
・所定労働延べ日数:20日×6人=120日
・最低必要休業日数:120日×1/20=6日
この場合、「1人1日以上の休業」で要件を満たすことになります。

3、支払い要件
雇用調整助成金は、従業員を休ませ、「休業手当を支払ったとき」に助成の対象となる。休業手当は、従業員の直近3か月の平均賃金の6割以上を払わなければなりません。この休業手当支払い率は、6割から10割の間で労使が決めることができ、助成額にも影響します。

いくら助成されるのか?

「雇用調整助成金は休業手当の最大9割が助成される」と言われるが、厳密には異なります。休業手当は直近3か月の平均賃金をもとに計算するため1人ひとり異なるが、雇用調整助成金の額は一律であり、日額8,330円という上限額が設定されます。仮に賃金の高い労働者を休ませて休業手当を3万円払ったとしても、雇用調整助成金は8,330円までしか出ません。そこに注意して、「誰を優先的に休ませるか」を考えるべきです。

雇用調整助成金の申請手続き

まず休業等に関する計画届と、確認に必要な添付書類を提出します。通常時は休業の開始前に書類を出さなければなりません。しかし、今回は特例的にすでに休業を開始している場合でも、6月30日までに計画届を提出すれば、遡及適用されることになります。ただし、さかのぼって申請できるのは「初回だけ」ということに気をつけて下さい。

2回目以降は休業の開始前に計画届を出さなければいけない。そのため数か月分まとめて出すのがおすすめだ。計画届を提出し、休業期間が終わったら2か月以内に申請するという流れです。

雇用調整助成金を受給するまでの流れ。厚生労働省ホームページ「雇用調整助成金」より