ペッパーフード、個人から20億円を借り入れたと発表。

いきなりステーキが、いきなり失速

東証1部上場で、日銭が入る業態の企業が個人から借り入れをするというのは極めて異例。どの金融機関からも借り入れができなかったとみられ、それほど資金繰りに窮しているという証左である。

6月1日には、ステーキ店「ペッパーランチ」事業を分社化し、新会社JPを設立した。JPは株主総会の承認がいらない「簡易新設分割」という手法で急遽、立ち上げた。JPの資本金は1000万円。ペッパーフードが100%株式を保有。本社は東京・墨田区のペッパーフードの本社内に置き、一瀬社長が代表に就いた。

簡易新設分割は総資産の5分の1以下が分割され新会社がつくられた場合に適用される。株主総会の議決を得る必要はない。会社分割とは、会社を新旧の2つに分離し、旧勘定となる既存会社は特別清算する。新会社に出資者を募り、出直すというのが一般的に行われるやり方だ。

窮地から脱する、手っ取り早い方法が会社分割と個人からの借り入れというわけだ。ペッパーフードの命運を握るのが、20億円を個人で貸し付けた食肉加工エスフーズ社長の村上氏だ。兵庫県立龍野実業高校卒業。1975年に村上畜産に就職したのが食肉業界に足を踏み入れるきっかけとなった。

81年、エムアンドエム食品、82年にムラチクを設立し、社長になる。2004年9月、ムラチクがエスフーズのグループに入り、のちに合併。村上氏はエスフーズの副社長食肉本部長に就任。06年3月、社長に就いた。現在、兵庫県食肉事業協同組合連合会会長を務める食肉業界の大物だ。

エスフーズの15.3%の株式を保有する第2位の大株主は丸紅だ。持ち分法適用会社に組み入れられている。このままのジリ貧が続けばペッパーフードサービスはエスフーズの軍門に降ることになるとの声もある。