レナウンだけではない

中国企業に買収された日本企業とその後は?

過去に中国企業の傘下に入った主な日本企業の顔ぶれとその後は? 

2010年前後から対日M&Aが加速

中国がGDP(国内総生産)で日本を抜いて世界第2位になったのは2010年。この前後から業績不振に苦しむ日本企業買いが加速した。ラオックス(09年)、本間ゴルフ、レナウン、三洋電機の白物家電事業(いずれも10年)、NECのパソコン事業(11年)などが次々に中国企業の軍門に下った。

自動車大手の比亜迪汽車は自動車ボディー用金型の世界的企業、オギハラの館林工場(群馬県)を買った。日本のお家芸とされる金型産業の技術流出の危機が叫ばれたのはこの時だ。

中国家電大手の美的集団は2016年、東芝の白物家電事業を傘下に収めた。「TOSHIBA」ブランドを2056年まで40年間使用できる契約になっている。

パソコンの世界的大手、レノボはNECに続いて2018年、富士通のパソコン事業を傘下に収めた。NEC、富士通は単独での生き残りが厳しくなっていたが、レノボとの合弁運営に移行し、息を吹き返した。

浮き沈みが激しいのがラオックスだ。2009年、中国の蘇寧電器(現蘇寧易購)の傘下に入り、家電量販店から総合免税店に業態転換し、大ブレイクした。だが、中国人観光客による爆買いブームが去り、経営が暗転。希望退職募集による人員削減や店舗閉鎖などによるリストラの真っただ中にある。

パイオニアは2019年3月、香港ファンドの傘下に入り(買収金額1020億円)、再スタートして1年余り。プラズマテレビ事業の失敗などでつまづき、有力事業を次々に切り売りし、しのいできた経緯があるだけに、経営立て直しのハードルは一層高いと見られている。