2024年、共和党はニッキー・ヘイリーを初の女性大統領候補者として擁立するだろう

リバタリアン・マインド 渡瀬 裕哉 氏

2020年米大統領選に向けた与共和党の全国大会が8月24日開幕、トランプ大統領は共和党の大統領候補に正式指名された。しかし、この党大会中に行われた演説の中で異彩を放った人物はトランプ大統領の他に存在していた。

ヘイリーは2024年の次期共和党大統領候補者として最有力候補者と見做されている。2016年に当選したトランプ大統領がヘイリーを国連大使に指名した際、筆者の知己である共和党重鎮・グローバー・ノーキスト全米税制改革協議会議長は同人事について共和党の中長期的な未来を見据えた選択であったと称賛していた。

今年春先に開催された共和党保守派の年次総会であるCPAC(Conservative Political Action Conference)の会場では、トランプ大統領のシンボルであるMAGAハット(帽子)の横に、Nikki Haley 2024の文字が刻まれた帽子が売られているほどの人気ぶりだ。現職の閣僚でもなく、そのような人気を誇る人物は現在の共和党には例がない。

ヘイリーは民間企業、州議会議員、州知事、という経歴を持つ叩き上げの政治家だ。そして、ティーパーティーブームに押される形で、その運動のシンボルとなった保守派の雄である。直近ではボーイングの取締役を務めていたが、政府による過剰な救済策に反対し、その職を辞している。そのため、共和党内で苦しい立場になりつつある財政保守派やリバタリアン勢力はヘイリーに期待する向きがある。